今朝は、浜田山駅にて朝のご挨拶の予定でした。
いつもはマイクを握って、
控えめの音量で演説させていただくのですが、
今日はなんだかチラシ配りに徹してみようかなと、
ふと思ったのです。
「おはようございます!いってらっしゃいませ!」
と挨拶をしながらチラシを差し出すという要領。
配り始めてすぐ、
駅に立って誰かを待っているような人が多くいることに気付きました。
どうやら塾の先生たちのようでした。
そう、今は受験シーズンなんですね。
中学生が駅に来ると、「頑張れよ!」と
先生が生徒を力強い応援の声で送り出す。
そんな光景を何度か目にしながら、
チラシ配りに励んでおりました。
30分ほどしたころだったでしょうか。
ひとりの学生が話しかけてきました。
「すいません。。受験票忘れちゃったんで家に電話したいんですけど、
携帯貸してもらえませんか?」
だいぶ動揺している様子で、
身体が小刻みに震えているのが見て取れました。
すぐに携帯を渡すと彼は、
おそらく母親でしょう。
「受験票忘れた! オレのベッドの上にある! 駅で待ってるから持ってきて!」
と慌てた口調で、しかししっかりと要件を伝え、電話を僕に返してきました。
しかしまだ落ち着かない様子。
放っておけない上に、かなり心配になった僕は、
いくつか彼に確認してみることにしました。
僕 「時間、間に合うの?」
彼 「間に合わないですけど、大丈夫です。なんとかなります」
だいぶ実力には自信があるようだ。
僕 「そっか。第何志望?」
彼 「第一です。てゆーかここしか受けません」
おいおいおいおい。ホントに大丈夫なんかいな?
僕 「お母さん、どれくらいで来るの?」
彼 「40分くらいですね。」
僕 「え!?」
彼 「三鷹からなんで」
だんだんと事態が飲み込めてきました。
僕はてっきり、彼は浜田山駅近辺に住んでいるものだと
思い込んでいたのですが、
そうではなく、浜田山駅は学校の最寄り駅だったのです。
とそこへ、彼のお友達らしき女子中学生が、駅から出てきました。
彼は彼女に事情を説明。
彼女は当然、
「えっ!? どうすんの?」
ととても心配な様子。
僕は彼女も同じ学校を受験することを確認すると、
受験票をみせてもらいました。
案の定、学校の連絡先が書いてあったので、彼に、
「先に学校に行って事情を説明して、テストを受けさせてもらいなよ!
あとでお母さんが受験票持ってくるからって言って。」
と提案し、彼に学校に電話させました。
学校側も了承してくれたようで、
その後彼は母親に、直接学校に持ってくるよう電話し、
2人仲良く決戦に向かいました。
そのころには彼の震えも収まっていました。
その後彼は無事にテストを受けれたのか、
そもそも受かるだろうか、
まるで身内みたいに心配になってしまいましたが、
僕が気にしたところでどうにもなりません。
気を取り直してチラシ配りを続けました。
彼には是非とも合格してもらいたいと思います。
受験生のみなさん、頑張ってね!